アプリケーションノートコールドチェーン
ウイルスの瞬間凍結は、ドライアイス、ドライアイス/エタノール懸濁液または液体窒素を用いてウイルスサンプルを迅速に凍結する技術です。瞬間凍結は、サンプル中の水が凍結過程の間に氷の結晶を形成するのを防ぎ、ウイルスサンプルをより完全な状態に維持します。この方法で得られるサンプルの完全性は非常に優れており、研究や診断のためのタンパク質、DNAおよびRNAの抽出など、幅広く活用されています。
凍結保存細胞チューブの調製は、無菌状態を保つクリーンベンチやセフティキャビネット内で行われるのが一般的です。通常、細胞懸濁液は低温(0.5~4.0℃)に保つため、氷や冷却装置を用いる必要があります。CoolBox XT アイスフリー冷却システムは、ベンチ内での使用が可能で、最大48本のクライオチューブを16時間以上低温(0.5~4.0℃)で維持することができます。CoolBox XT内の冷却コアとクライオチューブ用CoolRackの高い熱伝導特性により、全てのクライオチューブの処理中の温度分布が均一に保たれます。CoolBox XTは、氷や電気、電池を必要とせず、何度も繰り返し使用できる非常に簡便でエコロジーなプラットホームです。
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問題点
ドライアイス中でウイルスサンプルを瞬間凍結する従来法。無秩序にサンプルを配置するため、サンプルの誤認やプロセス中のエラーが起こり、ドライアイスとの接触が不均一なため凍結がばらつくことがある。 |
解決策
CoolRackモジュールはドライアイス温度(-78℃)に急速に順応し、ウイルスサンプルを直接ドライアイスに接触させることなく瞬間凍結を可能にする。 サンプルは整理された状態で、直立した形態で均一に凍結される。CoolRackは液体窒素中でも使用可能。 |
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アルコール−ドライアイス懸濁液で凍結したウイルスサンプルと、ドライアイス上のCoolRackで凍結したウイルスサンプルの力価を比較したデータ。力価の結果は同等であるが、ドライアイスの上においたCoolRackモジュールを用いることで、サンプルを整理された状態で保つことができ、一貫性が得られ、手順を効果的に進めることができます。 |
チューブの種類 | CoolRack (サンプル数) | カタログ番号 | アイスバケツ |
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微量遠心チューブ 1.5~2.0mL |
CoolRack M6 (6) CoolRack M15 (15) CoolRack M15-PF (15) CoolRack XT M24 (24) CoolRack XT 5mL (12) CoolRack M30 (30) CoolRack M30-PF (30) CoolRack M30-PF 500μL (30) CoolRack M90 (90) CoolRack M96ID (96) |
BCS-163 BCS-125 BCS-127 BCS-535 BCS-539 BCS-108 BCS-128 BCS-137 BCS-102 BCS-116 |
1L角型 1L角型 1L角型 4L角型 4L角型 4L角型 4L角型 4L角型 9L角型 9L角型 |
凍結保存用チューブ | CoolRack CF15 (15) CoolRack XT CFT24 (24) CoolRack CF30 (30) CoolRack CF45 (45) |
BCS-126 BCS-534 BCS-138 BCS-105 |
1L角型 4L角型 4L角型 4L角型 |
遠心チューブ | CoolRack L (12) CoolRack 15mL (9) CoolRack 50mL (4) CoolRack 250mL-PF (1) CoolRack 250mL(1) |
BCS-232 BCS-153 BCS-154 BCS-532 BCS-533 |
4L角型 4L角型 4L角型 1L角型 1L角型 |
CoolRackはドライアイスと液体窒素のいずれも使用可能です。それぞれニーズに対応するCoolRackを選択してください。
ドライアイスや液体窒素を取り扱う際は、実験室の安全手順を守ってください。CoolRackモジュールは、超低温ドライアイスや液体窒素まで冷却されると、低温火傷の原因となります。ドライアイスまたは液体窒素中のCoolRackモジュールの取り扱いには十分に注意を払い、手袋や防護服を着用してください。