コールドチェーン
ThawSTAR凍結細胞自動融解ステーション
は再現性を目的として開発されています。(出展:旧medcision)*Astero Bio社が旧medcision社の事業を承継しておりましたが、Astero Bio社がBioLife Solutions社に吸収合併されたことにより、現在はBioLife Solutions社が事業を引き継いでいます。
あるラボで再現性が得られなかったという理由で、前臨床試験において年に280億ドルが浪費されているという研究結果が報告されました。[1]
複数の研究で、前臨床試験の50%超で再現性が得られていないと推測されます。費やされた時間や資金を考えれば、これは極めて高い数値です。再現性が得られない理由は、試薬やプロトコルの問題、研究デザインの誤り、データ分析の問題など多岐に渡っています。しかし、研究者の多くはより現実的な問題として、新しい基準と最適な方法が必要だという考えを支持しています。
サンプルの標準化、特に細胞の取扱いや凍結保存方法の改善が必要です。生体サンプルを保管し、その機能を維持する能力はライフサイエンス分野では基本となるものですが、サンプルの調整や取扱方法にスタンダードといえるものがないことの影響は過少評価されています。細胞の融解が主な一例です。研究を通して生物学的サンプルの完全性を保つためには、適正な温度管理が行われなければなりません。
研究室の多くは所有細胞の凍結環境を最適化するため、プログラムフリーザーの購入・維持に数千ドルを費やしているでしょう。しかし、その細胞をウォーターバスで融解するのであれば、ばらつきの発生やコンタミネーションのリスクがつきものです。
旧medCision社の研究開発部門長であるDr. Eric Kunkelが出演するビデオで、細胞融解の自動化によって、ウォーターバスと同等の融解結果を実現するだけでなく、再現性に関してはウォーターバスを上回り、コンタミネーションのリスクがないという説明を行っています。
細胞融解は一つの例に過ぎません。生体試料の処理ワークフローの標準化は前臨床試験における失敗を削減し、薬剤開発の効率を高め、新しい治療の上市を促進します。しかし最適なガイドラインが導入され遵守されない限り、より優れた技術や厳密に検証された試薬および薬剤を導入するという意欲は薄いままでしょう。
標準化を行い、最適な基準を導入するためには努力が必要です。しかし、医薬品メーカーが生物学的療法に対する資金を増加させているように、より厳密な品質管理基準を義務づけることが賢明でしょう。
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