アプリケーションノート

技術資料:anvajo社 fluidlab R-300のセルカウント性能評価試験

anvajo社 fluidlab R-300の
セルカウント性能評価試験

ワケンビーテック株式会社

目 的

染色フリーで培養細胞の生存率計測を可能とした新規技術DHM (Digital Holographic Microscopy) を搭載したfluidlab R-300が、従来のトリパンブルー染色法と同様に使用可能であるのか、血球計算盤によるマニュアルカウントや他社製セルカウンターと比較することで確認した。

方 法

THP-1細胞(JCRB0112)を培養し、濃度がおよそ1×106、1×105、1×104 cells/mLになるように細胞懸濁液(サンプル溶液)を調製した。各サンプル溶液の細胞濃度および生存率をfluidlab R-300、血球計算盤および他社製品にて計測(n=6)した。

結果および考察





各濃度におけるfluidlab R-300での計測結果は、細胞濃度および生存率ともにマニュアルカウントや他社製品での計測結果とほぼ同じ結果を示した。これにより本装置がトリパンブルー染色法を基にしたこれまでの技術と同様に、細胞計測において有用であることが示唆された。

謝 辞

本テクニカルノートの作成に当たり、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 JCRB細胞バンクの小原有弘 様をはじめとし、スタッフの方々に多大なるご協力をいただきましたことをここに深く御礼申し上げます。

fluidlab R-300染色フリーセルカウンター/分光光度計

染色フリーのセルカウンターと
分光光度計がこれ一台に

anvajo社(アンバイオ社, ドイツ)のfluidlab R-300(フルイドラボR-300)は、手のひらサイズのコンパクトなボディに、自動セルカウンターと本格的な分光光度計機能を備え、自動セルカウント、染色フリーで生存率測定、吸光・カイネティック測定、比色測定など、多彩な分析が可能な全く新しいラボラトリー機器です。
直感的な操作性と正確な測定が可能、かつポータブルなサイズにより研究をサポートします。

  • Easy-yo use
    fluidlab R-300は、世界で最も小さい部類のセルカウンター、分光光度計です。片手で持てるサイズで持ち運びができ、また持ち運んだ後のキャリブレーションも必要ありません。
  • 正確性
    本装置で得られた測定結果は、従来のラボ機器との相関性も良好です。
    CV値%(変動係数)が低く、結果は正の線形相関を示します。
  • 速やかな測定
    20秒以内でセルカウントを行います。直感的なインターフェースで、簡単に操作できます。
  • セルカウンター機能
    ホログラフ技術により、染色フリーで生存率測定。
  • 分光光度計機能
    375-700nmのフルスペクトルグラフを記録。メンテナンスや再校正も不要です。

仕様
イメージング デジタルホログラフィック顕微鏡
解析方式 機械学習
視野 2.3×2.3mm (5.3mm2)
対応細胞サイズ 3-80μm(セルカウント) 8-80μm(生存率)
対応細胞濃度 104-107cells/mL*1
専用スライド acella(fluidlab R-300 専用スライド)*2
*1スライドや細胞の種類により異なります。 *2詳細はacellaスライドの製品ページをご確認ください。