製品紹介

フォーマ ステリサイクル CO₂インキュベーター CR CTSシリーズの特長

近年の再生医療や細胞治療ニーズの高まりにより、本来研究用途であったCO₂インキュベーターが製造目的で運用される事例が増えつつあります。しかし、GMP(Good Manufacturing Practice)省令ベースでの運用や、クリーンルームでの運用に最適化されている製品はなく(注:2021年9月記事作成時点)、研究用製品を製造に使用しているのが現状です。
しかし、当然ながら学術研究などの研究レベルで要求される条件と、GMP規制下での製造において求められる条件は大きく異なります。
Thermo Fisher Scientific社は、GMP環境下での使用と、クリーンルームでの使用をサポートするため、フォーマ ステリサイクル CO₂インキュベーター CR CTSシリーズを開発しました。


左: 165Lモデル 右: 255Lモデル

細胞製造に求められる条件

研究 製造
  • 細胞に最適な環境を提供すること(環境安定性)
  • コンタミネーション防止
  • 実験の再現性を保つ
研究用の条件に加えGMP環境下への適合が必要
例えば..

  • 清浄環境を乱さないための汚染/粒子コントロール
  • 当局や第三者機関による監査への対応

 

など

フォーマ ステリサイクル CO₂インキュベーター CR CTSシリーズはこれら製造に求められる条件に対応した、クリーンルーム用インキュベーターです。

フォーマ ステリサイクル CR CTSシリーズの特長

クリーン環境への適合

フォーマ ステリサイクル CO₂インキュベーター CR CTSシリーズは、クリーンルーム用に専用設計された世界初のインキュベーターで、インキュべーターとして初めて、第三者機関によりISOクラス5およびGMPグレードA/B環境(以下表参照)での使用に適していると評価されています。

上限濃度(個/㎥) ISOクラス 米国連邦規格 無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針
3,520 ISOクラス5 クラス100 グレードA
352,000 ISOクラス7 クラス10,000 グレードB

粒子放出制御機構

粒子排出機構により、装置から発生する粒子の数を抑制し、クリーン環境を乱しません。

装置は密閉型構造で、バキュームシステムにより空気は背面フィルターを介して装置内に取り込まれ、排出時はHEPAフィルターを通って室内に放出されます。これにより、室内への不要な粒子の排出を防止します。
また、粒子制御システムにエラーが認められた場合は、LEDアラームにより注意を促します。

GMPドキュメンテーションバインダー付属

バリデーションや監査対応をサポートするGMPドキュメンテーションバインダーが付属しています。
バインダーには次の文書(以下は一部の例)などが含まれています。

  • 技術仕様書
  • 材質証明書
  • 品質証明書およびFATレポート
  • 温度センサー証明書

その他の特長

溶接コーナーとつや消しステンレス仕上げによる密閉ドア
本体からの粒子放出を抑制するため、ディスプレイはシリコンシールにより間隙を防止
ガスケット(ドアパッキン)材質を改良し、よりクリーンルームに適した密閉性を確保

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