アプリケーションノート

CryoMax凍結バッグトピックス:哺乳動物細胞(大容量)の凍結と融解アプリケーションの紹介

細胞加工医薬品、再生医療製品の発展に伴い、従来のクライオバイアルサイズ(1~2mL)ではなく、大容量の凍結細胞の保存と、その融解後利用の需要が高まっています。大容量の凍結細胞融解には、次の4つの課題が存在します。


省力化、自動化


コンタミネーション
防止


均一性と再現性


操作の標準化
(グローバルスタンダード)

これらの課題は、クライオマックス凍結保存バッグと、ThawSTAR CB凍結細胞融解ステーションを使用することで解消することができます。
また、大容量の凍結細胞を融解する際には細胞生存率の低下が一つの課題となります。弊社は慶応義塾大学医学部の遠山周吾先生にご協力いただき、クライオマックス凍結保存バッグとThawSTAR CBを使用した場合の細胞生存率を測定しました。

研究目的

ヒトiPS細胞の大量凍結保存


課題について

大量のヒトiPS細胞を凍結保存する際には、多数の凍結バイアルを扱う必要があり、その結果として凍結や融解工程に多くの時間がかかり、生存率が低下してしまうという課題があった


課題の解消

ThawSTAR CB・クライオマックス凍結バッグを併用することで、時間、本数の問題を解消できる可能性がある


研究者

慶應義塾大学医学部 専任講師
遠山 周吾 先生

主な研究

代謝特性を利用した細胞作製
ヒトiPS細胞を用いた再生医療

▼実験例▼

使用細胞

iPS細胞

状態

28日間凍結保存

融解後生存率

85%

容量

20mL細胞溶液(50mL凍結バッグ)

凍結細胞数

20×10⁷(1×10⁷cells/mL×20mL)

融解時間

約8分(融解開始から細胞回収まで)

従来法との生存率比較

融解に要した時間
(細胞播種までの時間*)

  • 2mLバイアルとウォーターバス
    2分30秒 (3分35秒*)
  • 2mLバイアルとThawSTAR CFT2
    3分14秒 (4分6秒*)
  • 50mLバッグとThawSTAR CB
    3分51秒 (8分13秒*)
    (バッグの液量は多いので処理に時間がかかります。)

融解後細胞増殖比較

細胞の最適な凍結融解を実現!
ワケンビーテック社で必要な機材を揃えることが可能です。

製品の紹介

ThawSTAR CB
凍結細胞融解ステーション(凍結バッグ用)

※ThawSTAR CBは薬機法に定められる医療機器ではありません

  • 50mL~750mLクライオマックス 凍結バッグに対応(1台で多サイズの融解が可能)
  • ウォーターフリー(汚染リスクを低減)
  • 自動で融解(手技による差がない)
  • 融解状態の再現性に貢献
    (残氷により、余分な温度上昇を防ぐ)
  • 簡単操作(タッチパネルで選択操作)
  • 融解温度ログが回収可能
    (バッグの各ポイントを温度測定)
  • 50~1,000mLのラインアップ
  • 医療機器認証取得⟨クラスⅡ⟩(医療目的に最適)
    医療機器認証番号:223ACBZX00071000 製造販売業者:ミルテニーバイオテク株式会社
  • 研究、医療、製造に利用可能
    (保存のスケールアップに最適)
  • 複数のチューブライン
    (多彩なコネクターと複数のポートが存在)
  • ワールドワイドで入手可能